iPod Touchのソフトウェア・アップグレード

Life is beautiful: MacWorld Expo: なぜiPod touchのアップグレードのみ有料なのか?

先日のMacWorldでiPod Touchの新機能(メールやマップなど)がリリースされた。あまり深く考えずに「これは欲しい!」と思ってiTunes Storeで購入し、アップグレードしてしまったが、なんで有料(2,480円、USでは$20)なのかなぁ、とは少し疑問に思っていた。

その疑問に答えてくれたのが上記のエントリ。思わず納得してしまった。

エンロン・スキャンダル以来、厳しくなった米国の会計基準が理由だ。
(中略)
Apple TVとiPhoneに共通するのは、売上げの計上を消費者の購入時にせずに、毎月1/24ずつ24ヶ月間にわたって計上していること。ジョブズに言わせると「売り切り型のビジネスというよりはサービスに近いビジネスだから」。その意味では、ソフトウェアのアップグレードを無料でするのは当然なのだ(以下が AppleのAnnual Reportの以下が抜粋)。
(抜粋部分は省略)
問題は、iPod touch。これに関しては、従来のiPodと同じく消費者が購入した時点で100%を売上げとして計上してしまっているため、無料でソフトウェア・アップグレードを提供してしまうと、会計基準上「不当な売上げの前倒し」と見なされてしまうのだ。

 ということで、「会計上、売上げの前倒し計上と見なされない様にするためには、ソフトウェア・アップグレードを有料にせざるをえなかった」というのが本当の理由である。

なるほど。


人によって「モノの見方、見え方」がこんなにも違うのかと、あらためて驚きを感じた。自分は、今回のアップグレードのニュースを見たとき、
「今後もこういうアップグレードは続くのかなぁ」
iTunes Storeで簡単に買えるのは楽でいいなぁ」
jailbreakしてる人には必要ないんだろうなぁ」
jailbreakしちゃうと、脆弱性対応のアップデートも適用できないんだろうな、危ないよなぁ」
「メールの情報も iPod Touchでアクセスできるようになると、ますますセキュリティに注意しなくちゃな、落としたら大変だなぁ」
などと、自分の興味の中心であるセキュリティに関係した感想をもった。「なぜ iPod Touchだけが有料のアップグレードなのか?他との違いはなにか?なにか理由はあるのか?」という疑問は全然頭に浮かんでこなかった。適切な問いかけがなければ答えは得られない。逆に言うと、効果的な質問を設定できれば、問題はほぼ解けたといってもいい。今回のちょっとしたことで、あらためて自分の「モノの見方」の壁を感じることができた。この壁は意識して拡げたり、乗り越えたりしないといけない。