デジタル・フォレンジック・コミュニティ2007

http://www.digitalforensic.jp/expanel/diarypro/diary.cgi?no=35&continue=on

12/17,18の2日間にわたって「第4回デジタル・フォレンジック・コミュニティ2007 in TOKYO」が開催された。これはNPOデジタル・フォレンジック研究会が主催するイベントで、今年で4回目らしいが今回初めて参加してみた。


プログラムは上記リンクにある通り。興味深い内容もあるにはあったのだが、全体的に見るとやや期待はずれという感じだった。低料金とは言え会員10,000円、一般15,000円の参加費をとっているのだからもう少し工夫してほしかった。以下、感想として気になった点をあげておく。

これがパネルディスカッション?

初日(12/17)に研究会の時間枠として、「企業からの情報漏洩に備える」というテーマでパネルディスカッションが行われた。当然ながらパネリスト同士や会場も交えたディスカッションを期待したわけなのだが・・・。時間は全体で2時間半と十分にとってあった。にもかかわらず、7人のパネリスト個別の報告(?)というプレゼンがみな大幅に時間をオーバー。しかもテーマが割合とあいまいなものだったためか、パネリストの発表内容もどうもまとまりに欠ける。結局、この個別プレゼンだけで2時間を越えてしまい、残りの時間はただのQ&Aコーナーになってしまった。まあディスカッションをするとはどこにも書いてはなかったのだが、正直かなりがっかりである。パネリストは与えられた時間を守って発表するべきだし、コーディネーターにも全体をもう少しまとめてほしかった。

技術説明会なのか製品説明会なのか?

2日目(12/18)は午前中の3時間半という時間がForensics技術説明会にあてられてた。これは今回のプログラムの中で一番興味があったところ。3つの実際の事例をベースにしたシナリオを元にフォレンジックの手法について説明し、それプラス「市販のフォレンジック関連技術・製品およびサービス等の簡単なご紹介も実施します。」ということだった。しかしふたを開けてみると・・・。たしかにシナリオの説明はあった。それもかなり詳細に。しかし肝心のそれらのケースで用いられる技術説明が薄い。しかもケース毎に5−6社が製品の紹介をしたのだが、まるっきしケースの内容と関係の無いものまである。これでは単なるベンダーによる製品紹介である。そんなものは製品展示コーナーでやればいいのに。シナリオの内容を詳細に説明した意味はあったのか??ここでもまたもや大がっかりである。


もちろんがっかりばかりじゃなくて、経済ジャーナリストの岸さんの講演や、弁護士の櫻庭さんの講演は非常に興味深い内容だったしかなり勉強になった。でも一番時間の長いプログラムが2つともがっかりの内容では全体の印象が悪くなるのは致し方ない。デジタル・フォレンジック研究会は日本では数少ない、というかほとんど唯一といってもよいフォレンジックを専門に扱う団体なので、今後の活動内容に期待したい。


(2008-02-01 追記)
上記のURLからPDF資料がダウンロードできるようになっている。

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