第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい ☆☆☆

「第1感」(原書では"blink")というのは直感(推理・考察などによらず、感覚的に物事を瞬時に感じとること。from goo辞書)やひらめきと言い換えてもいいのかもしれない。ぱっと見る(あるいは聞く、味わう)だけで無意識のうちに瞬時に働くなんらかの判断力が人間にはあるようだ。

物事の本質を一瞬で輪切りのように見極めてしまう力の凄さと、一方で人間が見た目の罠にいかに簡単にだまされてしまうか、本書ではその両方の側面についてこれまでの研究結果などを紹介しながらわかりやすく説明してくれる。


個人的に興味深かった点はこんなところ。

  • 無意識的な態度が意識的な価値観を裏切ることがある。潜在連想テスト(IAT: Implicit Association Test)などで確かめられる。
  • 言語による情報の書き換えなど論理的な思考が洞察力を損なうことがある。
  • 瞬時に優れた判断を下す上で、余計な情報は有害であり情報の節約が重要である。
  • 革新的な製品は市場調査になじまない。人はなじみのないものをうまく説明することはできない。
  • 表情は感情を反映するが、その逆もまた真である。

第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい

第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい